tinySA ULTRAを電波可視化に使ってみる
追記 2023.2.19 下記にソフト公開しました
https://github.com/manahiyo831/RadioFieldAR_tinySA-ULTRA
はじめに
以前より電波可視化というところでRTL-SDRなどを使って取り組んでいますが、先日購入したtinySA-ULTRAがほかのSDRデバイスを使うよりも便利そうに思い、やってみました。
電波可視化においてtinySA-ULTRAを使うメリットとデメリット
メリット
・測定周波数範囲が広い。特にこのULTRAは6GHzまで測れるとなっています。
・広帯域での周波数スイープが速い、ノイズの周波数が分からない時はとても便利
・FFT及びその表示をデバイス側でやってくれるのでANDROID側で処理の必要がない、画面も大きく使える
・絶対レベル[dBm]で表示される。
デメリット
・狭帯域(数100kHz)以下の場合は逆にスイープが遅くなる。
・安いSDRデバイスに比較して高価。とはいえスペアナを考えれば破格の値段です。
構想
上記のメリットに加えてtinySAはマーカーでピークサーチの機能があります。私の電波可視化ソフトではピークの値を使っているだけなので、この値を取得するだけとなり、とてもシンプルな動作です。
また中心周波数やスパンなどはtinySA側で設定することにして、スマホからの制御はあえて何もしないことにしました。中途半端に設定するよりは、設定はすべてデバイス自身で行うほうがANDROIDのソフトの機能が減らせます(実は面倒なだけ?)。
ANDROIDと通信してみる
下記にコマンドの一覧がありました。
次のコマンドでピークが取得できます。
marker 1 peak
tinyuSAからの応答は下記のような形で、周波数とレベルが返ってきます。
1 435 774401447 -7.62e+01
これを以前作った可視化ソフトの入力データにすればよさそうです。
ソフトに組み込み
先日アップしたシリアル通信の部分のみ作成し、あとはほぼ使いまわしです。
実際に測定してみる
試験サンプルはFPGAボード「PYNQ-Z1」の電源ノイズを使いました。
1.2MHz付近をピークにした電源ノイズがみられます。ほかは高調波です。
アンテナについている地球のマークはARの認識用です。
測定結果
平面、XYZ,高さ方向の3通りで測定してみました。
Pynq基板の電源回路部分が赤で一番強く-40dBm程度、離れるにしたがって弱くなっているのが一目瞭然です。なかなかいい感じじゃないかと。
らせん状に測定すると煙みたいでおもしろい。
動画を作成しました。よろしければ、ご覧ください。